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研磨道具

 

日本刀の研磨には砥石以外にも様々な道具が用いられます。

このページではそれらの道具について御紹介していきたいと思います。

(画像をクリックすると大きな写真になります)

 

画像 名称 備考











磨棒と磨ヘラ

 

 

 仕上げ工程で鎬地と棟に金属光沢を付け鏡面仕上にするための道具です。  

 材質はタンガロイという超硬質合金で出来ております。

 磨きヘラで下磨きを行った後、、磨き棒にて中磨き、上磨きと行います。

 良い磨きを行う為には磨棒と磨ヘラ自体の手入れも欠かせません。

 

 

 

ナルメ台

 

 日本刀研磨においては画竜点睛とも言える切先のナルメを行う道具です。

 幅約3cm、長さ約20cm、厚さ約4cmの朴材にノコギリで切れ目を入れてバネのように弾力があります。

 切れ目の長さを変えて強さを変えており、押すほどに強い弾性になるように段バネ式にしたものも用意してあります。

 右から二番目はスポンジを貼ったもので最終の上ナルメに使います。

 

磨き冶具

 

 

 上の二本はハバキ元の”流し”を入れる際にこれをナカゴ棟に当てガイドとするものです。

 3段目に並んでいる二本は棟区際を磨く際に棟区を蹴ることなく際まで磨けるようにストッパーとして棟区に当てておくもので細い煤竹製です。

 下二本は同じく細い煤竹製ですが切り抜きを入れてあります。

 この切り込みを利用して松葉先の化粧磨きの区切りを付けたり流しを入れます。

 

 

踏まえ木

 

 

 

 下地研磨においてはなくてはならない道具の一つです。

 反り具合、太さなどやはり自分に合ったものを使いたいので自作します。

 当工房では荒砥用、中砥用、内曇用とそれぞれ専用のものを用意しています。

 

 

筋切ヘラと横手板

 

 

 

 

 切先の横手を明確にするための道具です。いずれも煤竹製です。

 横手板には棟に掛けるための爪とも言える細い角材が付いています。

 これによって正確に棟と直角の横手を切ることが出来ます。

 

 

 

 

樋研ぎ道具

 

 

 樋を研ぐ場合、刀身を床に置いて研ぐ方法と写真のような斜めに切り込みを入れた木製の冶具に樋用砥石を固定してタツを突く要領で研ぐ方法があります。

 当工房では御刀の状態によって使い分けています。

 左の棒状のもの5本は樋の中の深い錆落し用のダイヤモンド砥石す。

 

 

金肌拭い

 

 

 金肌とは刀匠が火造りの際に出る酸化鉄皮膜のことです。

 一番左が刀匠さんから頂いた状態。

 それを電気炉で焼き、乳鉢で微粉末にしたものをサンプル容器で保存、使う直前に他の拭い材料や拭い油を添加してから更に乳鉢で擦り、吉野紙で濾したものを刀身に置き、綿で磨きます。

 金肌拭いを行った地金は秋の空のように深みのある色合いになります。

 

 

刃取り棒

 

 通常の刃取りではあまり使うことはありませんが、平造り短刀の切先の返り部や微妙な刃取りが必要な場合に用いる道具です。

 塩ビパイプの先を細い板状にし、硬さの異なるスポンジが貼ってあります。

 以前は煤竹やグラスファイバーのものも使いましたが耐久性、適度な弾力から現在はこの塩ビパイプ製の刃取り棒を使っています。

 

 

 

 

矯め木

 

 矯め木と書いて”タメギ”と読みます。

 材質は樫製で比較的緩やかな刀身の曲がりに使用します。

 溝に刀身を嵌めて曲がりと逆方向に力を加えて曲がりを矯正します。

 当工房では砥石を当てる前に必ず曲がりの有無を確認し、曲がりがあればこの矯め木で直します。

 極力刀身を減らさないで良い研ぎを行う為には必要な道具です。 

 

 

 

研ぎ柄

 

 これは研ぎ柄と言いまして、専ら仕上げ工程でナカゴに挿入して手持ちを良くし、安定的に作業を行える為のものです。

 古い白鞘の柄などで使えそうなものを改造して表面には籐を巻いて補強してあります。

 短刀などの場合は下地工程でもこの研ぎ柄に挿入して行うこともあります。

 ちなみに研ぎ柄とナカゴの完全な固定には木の楔を打ち込みます。

 



 下地工程における道具は研師の流派に関わらず共通しているものが多いものですが、仕上げ工程の道具は先人から受け継いだ伝統的なものから各研師が創意工夫によって独自に開発したものまで実に様々です。

 そのようなことからここで御紹介する物が全てではない事を申し添えるとともに必要に応じて追加していきたいと考えております

 

 

ご意見、ご感想などはこちら→ togishi@s6.dion.ne.jp



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